2011年4月13日水曜日

「マリアの骨」 鳴海章 著


4月12日、札幌日帰り出張のJR車中で読み切りました。長編警察小説で連続娼婦殺人事件、ベテラン刑事と新米刑事のコンビが犯人を追い詰めていく刑事ドラマの王道ですが。ゆっくりと静かに始まり、じわじわと読者を物語の中へ引きずり込んで行く、詳細な作り込みで飽きさせない一気に読ませて、結末は後味が悪いのかな?と思いきや、、、、。満足の長編警察小説です。期待以上の作品でした。☆☆☆

2011年4月11日月曜日

「骸骨ビルの庭」上,下


「骸骨ビルの庭」上・下 宮本輝 著

戦後混乱期の大阪を舞台にした、戦争孤児とその子らに無償の愛を持って育て上げた2人の男性を通して家族愛や人間の絆を現代人に問いかけた物語。
仕事が忙しくて、この本にのめり込んだら大変なことになると思いながらも、引き込まれていく意志の弱さと作者の魅力、本文の随所に盛り込まれた人生訓の様な文章、たとえば「人間は変われない生き物なのだ。自分の人生を決める覚悟は、一度や二度の決意では定まり切れるものではない。何度も何度も、これでもかこれでもかと教えられ、叱咤され、励まされ、荒々しい力で原点にひきずり戻され、そのたびに決意を新たにしつづけて、やっと人間は自分の根底を変えていくことができるのだと思う」だとか、さすが宮本輝さんだねと感心してしまう小説でした。☆☆☆☆